ゲイ薬剤師のブログ

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亜鉛摂取による風邪期間の短縮

こんにちは。ゲイ薬剤師です。

 

今日は論文の紹介です。

 

亜鉛が風邪に効くかもしれないということで、以前ブログを開設したばかりの記事

https://g-pha.hateblo.jp/entry/2020/05/04/175341

でも触れていたのですが、そのときは論文自体をしっかりと読めていませんでした。

 

こちらの記事にも記載した通り、「75mg/day 以上の亜鉛の摂取が風邪の期間の短縮に繋がる」という結論となっております。

 

13の試験、1,407の被験者を分析しており、中でも亜鉛の摂取量を75mgに設定している8つの試験のうち7つにおいて統計学的優位(p<0.05)に風邪期間の短縮が見られた。

ただし、摂取量75mg以下の5つの試験においては風邪期間の短縮は見られなかったとのこと。

 

(論文の詳細には75mg以上の試験においても試験間の異質性が高いことや、摂取する亜鉛の形態が酢酸塩かそれ以外かによって結果が異なることなども触れているのですが、まだ私の力量ではみなさんにうまく説明できないため省略します)

 

以前の記事ではこの結果をもとに、「コロナの予防にも効くかも」

といったことを書いていたのですが、私、大事なことを見逃しておりました。

 

そもそも通常成人の亜鉛の摂取量なのですが、男性においても推奨量が10mg/day、耐用上限量(過剰摂取による健康被害を未然に防ぐ量)が45mg/日となっています。

 

亜鉛の過剰摂取により、銅の欠乏が引き起こされることで

貧血や疲労などの症状が起こること等が懸念されます。

 

つまり、毎日毎日75mg以上の亜鉛を摂取することは現実的でないのです。

 

 

ただし、量が多いにしても亜鉛の摂取により

風邪の期間が短縮することは事実です。

 

また、今回は結果が「風邪の期間」といった定義でしたが、

例えばoutcomeの切り口を「症状の重症度」などに変えたら結果が変わるかもしれません(重症度を定義することが難しいと思いますが)。

 

75mgの摂取は難しく、少量摂取による風邪予防のエビデンスは見つけられていませんが、亜鉛が美肌や美髪、味覚の維持に必要であり、運動により失われやすいため、健康のために必要であることは変わりません。

 

 

ひとまず私はサプリメント等の目安量の範囲内で

継続的に服用したいと考えています。

 

また追加のエビデンスや面白い情報があれば共有させてもらいます。