ゲイ薬剤師のブログ

都内在住アラサーゲイ薬剤師のブログ

身内が新型コロナにかかったら

こんにちは。ゲイ薬剤師です。

 

先日、母が新型コロナウイルス陽性と判定されました。

 

東京ではここのところ感染者が激増しており、

職場の薬局にもたくさんのコロナ疑いの患者が来るし、

職場で自分がサポートした無料抗原検査で目の前で陽性判定となる人もいるし、

職場の同僚が感染したりと、もはや何が起こってもあまり驚かない状態になっていました。

 

しかし、血の繋がった家族が感染したとなると話は別。

 

重症化率は低いと言えど、私の母は世間一般で言えば高齢者に該当し、

重病でないと言えど基礎疾患(高血圧、高脂血症)ありのため、

相対的なリスクは高いのです。

 

 

 

 

もともとは姪っ子たち(姉の娘)の保育園が、コロナ発生のため休園になったのですが、

姉は仕事があり、子供達に症状はなかったため、実家に預けていたそうです。

 

ところが2〜3日した頃に姪が発熱し、その頃になって保育園から、

姪がコロナ陽性児の濃厚接触者であると連絡があったそうで、

PCR検査をしてみると陽性だったとのこと。

 

姪を預かっていた私の両親は濃厚接触者に該当するため、自宅待機していたのですが、

翌日には母が発熱。先週末に母も検査をすることになりました。

 

今週の月曜日、仕事中に母からLINEが来て、

「陽性だったから明日からホテル療養になる」と知らされました。

 

接触、発熱の時系列からして陽性はほぼ確実と覚悟していたのですが、

いざ知らされると不安になり胸がザワザワとしました。

 

 

一緒に生活することはできないので、

できることは薬やサプリメント、食べ物を届けるくらい。

 

「仕事が終わってから必要なもの届けるね」

と伝えると、申し訳ないと思ってか

「熱もあんまりないし、症状も軽いから大丈夫」との返事。

 

じゃあいっか。と一瞬思ったけど、

ホテル療養となると、しばらく会えなくなる。

 

統計としての重症化率や致死率の低さよりも

テレビのニュースやドキュメンタリー番組で取り上げられていた、

急に容体が変わって亡くなってしまったというような

ネガティブな情報に意識が向いてしまう。

 

万が一のことがあったら後悔する。と思い直し、

仕事終わりにビタミン、亜鉛サプリメント漢方薬

ホテル療養時の食べ物などを購入。

 

一人で自宅待機する父の発症も心配なので、父の分も購入。

 

無理やり実家に物資を届けて、滞在すること2分弱で帰宅しました。

 

 

これで自分にできることは終わったから、あとは回復を待つだけ。

と思っていたのですが、もう一山ありました。

 

母がホテルに到着した当日、本人から電話が来ました。

「看護師さんから、あなたは基礎疾患があるからナントカ療法っていう点滴の対象者です、って言われたんだけど、なんか怖いしもう熱もなくてこのまま回復しそうだから断っちゃった。いいよね?」

 

「いや、ナントカ療法って何?名前わかんないとこっちも判断できないし、急に重症化する人もいるからやったほうがいいんじゃない?もう一回薬の名前ちゃんと聞いて教えて」

 

「わかった」

 

数時間後、母から治療の案内文書が送られてきた。

薬の名前は「ゼビュディ点滴静注」(成分名ソトロビマブ)

 

新型コロナで特例承認された薬らしい。

 

承認された新型コロナの治療薬に関して、

ラゲブリオなどの内服薬は知っていたけど、

薬局では点滴を扱うことはないので、この薬については初耳だった。

 

さっそく添付文書を調べる。

www.info.pmda.go.jp

 

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有効性は高そう。

イベント発現(24時間以上の入院または死亡)のリスクを

6%→1%に下げられるとのこと。

 

といっても、そもそも6%ってことは、そうならない可能性の方が全然高いんだけど、

やらないって選択をして万が一のことがあったら後悔は計り知れないよね。

 

もちろんまだよくわかってない薬だし、

アナフィラキシー含めて重篤な副作用が出る可能性もなきにしもあらずだから、

母が抵抗する気持ちもわかる。

 

いつもの自分だったらロジカルに説明して、「はい自分で決めて」って

冷たくしそうだなと思いつつ、さすがに今は心細いだろうと思い丁寧に説明。

 

無理にとは言わないが、自分が同じ立場だったら打つであろうこと。

点滴であり、徐々に投与するため気分が悪くなったら看護師さんに伝えて中止できること、などを説明した上で説得。

 

なんとかやる気になってくれたようでした。

 

薬の投与に関しては翌日に病院に移動し、30分かけて行い、

万が一のため1泊のとまりで行われました。

 

そして無事に何事もなく終了したようです。

母は体が軽くなった気がすると言っていました。

 

まだホテル療養は終わっていないので、油断はできないのですが、

とりあえず一安心です。

 

新型コロナが流行してからとんでもないスピードで薬を開発してくれた製薬会社や、

公的な資金で治療を受けさせてくれる国の制度に感謝です。

 

自分にとっても身内が新型コロナに感染するのは初めての経験だったため、

少しでも参考になればと思い、ブログに書くことにしました。

 

何か知りたいことや気になることがあれば、コメントいただければと思います。